ニッケル工場の溶鉱炉が爆発 13人死亡、38人負傷 インドネシア
(CNN) インドネシアにある中国資本のニッケル工場で24日、溶鉱炉の爆発があり、当局によると作業員少なくとも13人が死亡、38人が負傷した。
爆発は、スラウェシ島のモロワリ工業団地内にある中国の鉄鋼・ニッケル大手、青山控股集団の工場で起きた。青山控股集団は現地法人を通じてインドネシアのニッケル鉱業に出資している。
モロワリ警察がCNNインドネシアに語ったところによると、13人は現場で死亡し、複数の負傷者が近くの病院に搬送された。現場には警察が出動して捜査を行っている。
動画には巨大な炎と黒煙が立ち上る様子が映っている。
ロイター通信によると、死亡した作業員のうち8人はインドネシア人、5人は中国人だった。
爆発は溶鉱炉を修理している際に発生したとされる。同社の発表としてロイター通信が伝えたところによると、これまでの捜査の結果、炉の底にまだ爆発を引き起こす液体が残っていたために爆発が起きた可能性があることが分かった。
警察によれば、近くにあった酸素ボンベ数本も爆発したことから、火災が一層激しくなった。
インドネシアは世界最大のニッケル輸出国で、電気自動車(EV)用バッテリーの原料となる銅やコバルト、ボーキサイトの産出量も多い。世界でEV需要が急拡大する中、インドネシアは中国のような国からの投資を積極的に呼び込んでいる。
一方で、政府がニッケル加工やEV市場の拡大を急ぐ代償として、環境や農業経営者、先住民などが犠牲になっているという批判もある。