イスラエル人入植者によるヨルダン川西岸での暴力、独外相が非難
(CNN) パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区でイスラエル人の入植者による暴力が増加していることを受け、ドイツのベアボック外相は、ヨルダン川西岸地区でのパレスチナ人に対する暴力を非難した。
ベアボック氏は8日、訪問先のヨルダン川西岸地区で、記者団に対し、「ここに合法的に住んでいる人々が違法に攻撃されている場合、法の支配の実施と執行はイスラエル政府の責任だ」と述べた。
ヨルダン川西岸地区ラマラのパレスチナ保健省によれば、昨年10月7日以降、ヨルダン川西岸地区では、少なくとも340人のパレスチナ人がイスラエル人の入植者や兵士によって殺害された。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は先月、2023年は、記録を開始した05年以降で、ヨルダン川西岸地区でパレスチナ人が最も死亡した年だと明らかにしていた。
イスラエル軍は、1967年にヨルダン軍からヨルダン川西岸地区を奪取して以降、同地区を支配下に置いている。90年代に調印された合意後、イスラエルは支配地域の一部に対する限定的な支配権をパレスチナ自治政府に移譲することで合意した。
イスラエルはヨルダン川西岸地区で、入植地の建設を進めているが、こうした入植地は国際法の下では違法なものとみなされている。
ドイツは、イスラエルの最も緊密な同盟国の一つで、ドイツ政府はイスラエルには自衛権があると繰り返し強調してきた。
しかし、ベアボック氏は、パレスチナ自治区ガザ地区での民間人の死者を抑制するようイスラエルに警告する国際社会の指導者の列に加わった。ガザ地区では、イスラエル軍の攻撃によって昨年10月7日以降、少なくとも2万2835人のパレスチナ人が死亡した。この死者数は、イスラエルとハマスとの紛争が始まる前のガザ地区の人口227万人のうちの約1%に相当する。
ベアボック氏は、イスラエルのカッツ外相やヘルツォグ大統領との会談後、イスラエルはガザ地区での軍事行動で、パレスチナの民間人をもっと保護しなければならないと述べた。