「爆弾の音は聞こえない」、学校を地下鉄の駅に移設 ウクライナ

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エルミラ・デルグソワちゃんが学校に通うのは週に2~3回/Joseph Ataman/CNN

エルミラ・デルグソワちゃんが学校に通うのは週に2~3回/Joseph Ataman/CNN

だが地下で勉強すれば爆弾から守られ、空襲警報におびえることなく、何にも邪魔されずに学校生活を送ることができる。

「おそらく今では子どもたちも慣れてきているようだ」とエルミラちゃんの担任教師オレーナ・ルダコワ氏は言った。「なんとか順応している」

空からの死

ロシア政府がウクライナの都市やインフラへの攻撃に多用しているS300型ミサイルは、発射から40秒とかからずにハルキウに着弾する。ハルキウ市のイーホル・テレホフ市長がCNNに語った。

「空襲警報は役に立たない」(テレホフ市長)

緊急避難所はウクライナ各地に広がっているが、それぞれの町や都市にあるコンクリートの教室は、地上から見える限りロシアの空爆を免れることはできない。

「始めのころ、向こうはエネルギーインフラを狙った。今では同じ手法で、市民を脅しにかかっている。住宅地や民間企業、団地が攻撃の対象とされ、多くの犠牲者を出している」(テレホフ市長)

エルミラちゃんが以前通っていた学校も、戦争初期にロシアの砲撃に遭ったため、今は板囲いがされている。当時は多くの家族が地下に避難したが、幸いけが人は出なかった。

だが多くの人々はそこまで運がよくなかった。

国連ウクライナ人権監視団が昨年11月に発表したところでは、22年2月にロシアがウクライナを全面侵攻して以来少なくとも1万人の民間人が命を奪われた。そのうち560人以上が子どもだ。

負傷者は1万8500人以上にのぼる。

国連によれば、戦闘が続いている地域では死者数の確認作業が難しく、時差が生じているため、実際の数字はこれをはるかに上回ると見られる。

すでに市の地下鉄網は貴重な空間となっているため市長は昨年、専用の地下校舎の建設を民間に委託した。ハルキウ市教育課によれば、22年には16万人前後が地下鉄の駅に避難した。

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