ラファ東部を離れるガザ住民、イスラエル軍が即刻退避命令
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区南部のラファで6日、イスラエル軍が「即刻退避」を呼びかけたことを受け、ラファ東部に避難していた人たちが退避を始めた。ラファには7カ月近くに及ぶ戦争の間に100万人以上が身を寄せている。
イスラエルのネタニヤフ首相に対しては、イスラム組織ハマス壊滅のためラファでの本格的な地上作戦に踏み切るよう極右勢力からの圧力が強まっている。一方で穏健派は、人質解放のための停戦交渉を優先するようネタニヤフ首相に迫っている。
イスラエル国防相は5日、ガザ地区に展開するイスラエル軍に対し、「近い将来、ラファでの集中行動」が予想されると述べていた。
これに対してハマス政治局員は、イスラエルがラファに侵攻すれば「遠足」では済まないと警告し、そうなれば停戦交渉は「危険にさらされる」と述べた。
避難指示を受けて荷物とともにトラックの荷台に乗り込んだ子どもたち=6日/AFP/Getty Images
ラファ東部にいるCNN通信員によると、住民は恐怖に駆られてパニック状態に陥っている。映像や画像には、同地に避難していた人たちが荷物をまとめて車やロバに引かせた荷車に乗せ、退避の準備をする様子が映っている。
燃料タンクと所持品を詰めたビニール袋の間に座る子どもたちや、マットレスを車のルーフにくくりつけて同地を離れる一家の姿も見える。
イスラエル国防軍の報道官はラファ東部の住民に対し、「安全のため、検問所の拡大人道区画へ即刻退避するよう国防軍が呼びかけている」と書き込んだ。
避難先に指定されたのは、ハンユニスに近い海岸沿いの町マワシに設けた「拡大人道区画」。しかし同地について国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、テントを張って生活するには全く適さない場所だと指摘している。