イスラエルの人質、ハマス監禁下で「虐待」 家族証言
(CNN) イスラエルの作戦によって8日に救出された人質の1人の家族は、パレスチナ自治区ガザ地区でイスラム組織ハマスに拘束されていた8カ月の間に、人質は精神的虐待を受けたと語った。
アンドレイ・コズロフさん(27)はガザ中心部のヌセイラト難民キャンプへの急襲で他の3人とともに救出された。この作戦はイスラエルが人質を救出した3度目の作戦であり、イスラエル国内では称賛されている。一方で、ガザ当局によれば、この作戦とそれに続くハマス戦闘員との銃撃戦で少なくとも274人のパレスチナ人が死亡した。
コズロフさんらは、密集地域にある民間の建物2棟に拘束されていた。イスラエル国防軍(IDF)は2棟を同時に襲撃したのは、作戦が進行していることが知られた場合、人質が殺害される恐れがあったためだと述べている。
ロシア国籍のコズロフさんは約2年前にイスラエルに移住。昨年10月7日、イスラエル南部で開かれていた野外音楽祭で警備にあたっていたときに拉致され、ガザに連行された。
コズロフさんの家族はCNNとのインタビューで、コズロフさんのつらい体験を語った。コズロフさんは最初、救出に来たイスラエル軍が自分を殺すためにやってきたと信じていたという。
コズロフさんの父親は、ハマスの戦闘員が何カ月もの間「イスラエルは人質全員を殺したがっている」「人質はイスラエルにとって問題だ」とうそをついていたため、コズロフさんは「とても怖がっていた」と語った。
父親はコズロフさんが虐待されたすべての方法を明かそうとはしなかったが、「息子は人間として扱われていなかった」と話した。
ハマスはコズロフさんの行為が気にくわなかったら、それがどのような行為だったとしても罰を与えたと思うと語り、1日で最も暑い時間帯に毛布で覆われたことを例に挙げた。「暑いときに脱水症状になるのは、非常につらい」