イスラエル軍、陸海空からマワシ攻撃 以前に安全な退避先と指定
(CNN) イスラエル軍は13日未明、パレスチナ自治区ガザ地区最南部のラファ市西方へ位置する地中海沿いのマワシ地区へ地上や海空両面からの攻撃を実施した。パレスチナ自治政府の通信社「WAFA」が伝えた。
イスラエルは以前、ラファへの地上侵攻に備え、居場所を失ったガザ各地から同市へ押し寄せた住民らの安全な退避先としてマワシを指定してもいた。13日の攻撃ではイスラエル海軍ボートが重機関銃をマワシへ撃ち込んだともいう。
赤十字国際委員会(ICRC)は12日、ラファ西部では戦闘が続行しているとの情報をイスラエル当局から受け取ったと報告した。
イスラエル軍は今年5月初旬、ラファ東部に殺到していた住民らにマワシへ即時向かうよう指示。侵攻拡大に伴いマワシを人道上の安全地帯と位置づけていた。
ただ、この指示が出される前にマワシは既に避難民らがあふれる状態ともなっていた。国連はマワシ周辺には避難民らを収容できる十分な施設がないとも警告していた。
国際NGO「オックスファム」が今月4日に公表した報告書によると、イスラエル軍の侵攻拡大に伴いラファを逃れた住民は100万人以上。その移動先はここ数週間、ラファに近いマワシ、デイルアルバラやハンユニスになっているとした。
ガザの総面積の5分の1に満たない69万平方キロの土地に現在、約170万人もの住民が詰め掛けているとも推定した。ガザの総人口の3分の2以上に相当する。
ガザでの戦闘休止や人質解放をめぐる交渉は現在、イスラエルが示し米国が同調している案をめぐって交渉中とされるが、合意の成立は不透明な状態となっている。