アルメニア、ロシア主導の軍事同盟から離脱を表明
(CNN) 旧ソ連構成国であるアルメニアのパシニャン首相は12日、同国がロシア主導の軍事同盟「集団安全保障条約機構(CSTO)」から離脱することを確認し、同盟諸国がアゼルバイジャンと共謀してアルメニアに対する戦争を企てていると非難した。
パシニャン首相は数カ月にわたり、CSTOがアゼルバイジャンの再攻撃からアルメニアを守れなかったと非難し、ロシアが安全を確約しなければ同盟を離脱し、米国や欧州連合(EU)との連携を深めると脅した。
ソ連崩壊後、アルメニアとアゼルバイジャンは自治州だったナゴルノ・カラバフをめぐって2度の戦争を繰り広げたが、アゼルバイジャンは昨年9月に武力で同地域を完全に奪還した。ロシアは昔からアルメニアと同盟関係にあるが、両国の関係はここ数カ月で悪化する一方、ロシアとアゼルバイジャンの結びつきは強まっている。
アルメニアのパシニャン首相はアルメニアがロシア主導の軍事同盟から離脱することを確認した/Karen Minasyan/AFP/Getty Images
パシニャン氏は首都エレバンで国会議員らに対し、CSTOへの参加を「凍結」し、自国が選択した時期に離脱すると述べた。
国営メディアはパシニャン氏の発言を引用し、「いつ離脱するかは我々が決めるが、引き返すことはない」「同盟諸国は契約上の義務を履行せず、アゼルバイジャンと組み、我々に対する戦争を計画していることが判明した」と伝えた。
ロシア平和維持軍=2023年10月、ナゴルノ・カラバフ/AFP/Getty Images
パシニャン氏は、非難している国の具体的な名前は挙げなかった。加盟国にはロシア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタンが含まれる。
9月にアゼルバイジャンがナゴルノ・カラバフを1日で奪還し、ロシアの平和維持軍が駐留していたにもかかわらず同地域に住むアルメニア人のほぼ全員が避難したことを受け、アルメニアとロシアの関係は決裂していた。