仏総選挙の決選投票 左派連合が勝利の見通し、右翼は3番手に
アタル首相は与党連合が議席を大幅に減らすとの見通しを受けて、8日に辞意を表明した。同氏は、マクロン氏が下した解散、総選挙の決断について「私が選んだことではなかった」と述べ、批判的な立場を示唆した。
一方、RN陣営の集会では投票締め切りの1時間前に雰囲気が一変した。大勢判明を受け、バルデラ党首は沈痛な表情で、フランスが「不確実と不安定」の中に放り出されたと主張。「われわれはいかなる連立や譲歩にも応じず、国民の味方につく」と表明し、急進左派の移民政策などに断固として反対していく姿勢を強調した。
総選挙の結果が確定すれば、マクロン氏は左派の首相を任命せざるを得ず、残り3年間の任期に「ねじれ状態」を強いられる可能性がある。
総選挙に向けて急きょ結成されたNFPの中でも、「不屈のフランス」が74議席と、最大勢力になるとみられる。ただしマクロン派はこれまで、メランション氏と連立を組む可能性を繰り返し否定してきた。
マクロン氏が欧州連合(EU)議会選挙での与党大敗を受け、国民の信を問うために実施した総選挙が裏目に出て、さらなる混乱を招く結果になったとの指摘もある。