高まるロシアの脅威、欧州各国は徴兵制に回帰
(CNN) ロシアの脅威が高まる中、複数の欧州諸国は防衛力強化を目的とした政策の一環として兵役義務を再導入または拡大した。
30年間米陸軍将校を務めた外交政策研究所のユーラシア研究責任者、ロバート・ハミルトン氏は「戦争への動員方法や軍備の生産方法、新兵の募集・訓練方法を調整しなければならない可能性があるという認識に至りつつある」と述べた。
北大西洋条約機構(NATO)の欧州連合軍最高司令官を務めたウェズリー・クラーク退役将官は、ロシアのプーチン大統領が「ついにウクライナで公然と武力衝突に訴え」、ソビエト帝国の再建を追求したことで、欧州では大規模な戦争が発生するリスクが高まっていると話す。
同氏は「これはNATOにとって、防衛を再構築しなければならないという非常に切迫した警告」であり、再構築の取り組みには徴兵も含まれると指摘した。
徴兵制復活で新たな現実浮き彫りに
冷戦終結後、多くの欧州諸国が徴兵制を停止したが、近年、一部の国、特にスカンジナビア諸国やバルト三国ではロシアの脅威を主な理由として徴兵制を復活させている。入隊を拒めば罰金が科せられたり、禁錮に処されたりする国もある。
ノルウェーは4月、野心的な長期計画を発表した。この計画では、国の防衛予算をほぼ2倍に増額し、徴兵された兵士、従業員、予備役2万人以上を軍隊に加えるとしている。