1週間でガザの20万人超が避難、イスラエルが相次ぎ退避命令
(CNN) 国連人道問題調整事務所(OCHA)は29日、パレスチナ自治区ガザ地区でイスラエルの退避命令を受けて避難した人が、この1週間で人口の9%にあたる20万人を超えたとする推計を明らかにした。
「そうした退避命令と敵対行為が続く状況の中、ガザ全域で何万人もの人々が新たな避難の波に見舞われ続けている」(OCHA)
ガザ地区内での人口移動を調査している人道団体の推計によると、イスラエルが27日と28日に退避命令を出したガザ南部ラファとハンユニスおよび中部デイルアルバラの各地には、計5万6000人が身を寄せていたという。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリーニ事務局長は28日、ガザ地区で退避命令が出されていない地域は全体の14%程度にすぎないとX(旧ツイッター)に投稿した。
OCHAは「ガザの水、衛生設備、衛生状態が一層悪化し、感染症が増えている」状況の中で退避命令が繰り返されていると指摘。今月に入って排水からポリオのウイルスが検出されたといい、まだ症例は確認されていないものの、子どものワクチン接種など支援団体が迅速に対応できる状況が不可欠だと訴えた。世界保健機関(WHO)は先週、100万回分のポリオ予防ワクチンをガザに送ると発表していた。