越境攻撃続くロシア南西部、焼け焦げたトラックに遺体　動画浮上

（ＣＮＮ） ウクライナによる越境攻撃が続くロシア南西部クルスク州で、焼け焦げたロシア軍のトラックに積まれた遺体を捉えたとみられる映像が浮上した。ウクライナの越境攻撃がさらに奥深くまで入り込み、ロシア軍に甚大な損害を与えていることを示す新たな兆候となる。

日中に撮影されたこの動画はロシアの軍事ブロガーや独立系メディアが公開したもので、ＣＮＮは位置情報を確認した。リリスクの東約８キロに位置するオクチャブリスコエ村の道路脇に、十数台のトラックが映っている。

全焼しているトラックもあれば、無傷だが軍要員の遺体を積んでいるとみられるトラックもある。

ロシアの軍事ブロガーによると、動画は８日夜に実施されたウクライナの攻撃の跡を捉えたもの。動画が浮上する３日前、ウクライナは戦術を変更してロシア領内に突如侵入し、クレムリン（ロシア大統領府）が９日に「連邦規模」の緊急事態を宣言する事態になった。この地域はこれまで、２年を超える戦争の影響をおおむね免れていた。

ＳＮＳテレグラムの二つのチャンネルは、スジャの北西約４８キロに位置する町コレネボ周辺で発生した戦闘について報告。スジャはウクライナの作戦で当初の焦点となっていた。

テレグラムの別のチャンネルも、スジャの北約１７．７キロに位置する村の周辺や、スジャの北約２９キロの地域で戦闘が続いていることを報告した。

著名なロシアの軍事ブログ「ライバー」は９日、戦況のまとめを発表。ロシアの援軍の到着で前線は「やや安定」したとの見方を示した。ライバーはスジャ郊外の集落に暮らす住民の話として、ウクライナの歩兵部隊が村に進入したと伝えている。

ただ、ロシアも反撃に出ている。地元当局の９日に発表によると、ウクライナ東部ドネツク州の前線近くに位置する街、コンスタンチノフカのスーパーマーケットにロシアの攻撃があり、少なくとも１４人が死亡、４３人が負傷した。

ロシアはウクライナの民間人居住地域を狙うのに口実を必要としないものの、こうした攻撃は通常、戦場で後退や屈辱的な出来事が起きた後に実施される。