ベラルーシ、ウクライナ国境の部隊強化 前日のドローン撃墜受け
(CNN) ベラルーシのフレニン国防相は10日、ウクライナ国境の部隊を強化したと発表した。同国はこれに先立ち、9日にウクライナから領空に侵入したドローン(無人機)数機を撃墜したと述べていた。
ルカシェンコ大統領は10日の記者会見で、ウクライナから飛来したのは攻撃型ドローンだったとの見方を示し、この「挑発」に対して安全保障の対抗措置を取るよう軍参謀本部に指示したことを明らかにした。
またウクライナ軍が最近、ロシア西部クルスク州に仕掛けた越境攻撃に言及し、ウクライナ側には和平の用意がなく、引き続き緊張を激化させていることが分かると主張した。
フレニン氏も会見で、ウクライナとクルスク州をめぐる情勢を受け、ルカシェンコ氏がウクライナの挑発に対抗するため、国境に近い南東部ホメリとモジルの部隊編成を強化するよう指示したと説明。特殊部隊、地上部隊、自走多連装ロケットシステム「ポロネズ」や核弾頭の搭載が可能な弾道ミサイル「イスカンデル」を含むロケット部隊などが現地に向かい、防空システムや航空部隊が強化されていると述べた。
ベラルーシ外務省は10日、ウクライナの代理公使を呼び出し、強く抗議したと発表。挑発が繰り返された場合、ベラルーシ側は領土保全のために報復措置を取り、首都ミンスクのウクライナ公館についても存続の必要性を問い直す可能性があると伝えたことを明らかにした。
さらに、ウクライナが事態を緊迫化させたことは「犯罪行為」であり、紛争拡大を図る危険な試みだと非難。近隣の欧州諸国に向けて、紛争が拡大すれば「欧州連合(EU)諸国を含む地域全体に炎が広がり、だれも勝者にはならないだろう」との警告を発した。