機内で泣き止まない幼児、女性２人がトイレに閉じ込め　中国

（ＣＮＮ） 中国・吉祥航空が運航する旅客機の中で、乗客２人が泣きやまない幼児を機内トイレに閉じ込める動画が拡散し、ユーザーから怒りの声が上がっている。幼児は２人の肉親ではなく、見ず知らずの他人の孫だったという。ネット上では公共の場で騒ぐ子どもにどう対処するかについて議論が過熱している。

当該の事案は今週、中国のソーシャルメディアを通じて拡散した。投稿者は幼児の閉じ込めに関わった女性２人のうちの１人。動画には女性らと泣き叫ぶ女児が施錠した機内トイレの中にいる様子が映っている。女児の年齢は１歳前後に見える。

便器に座った女性は女児に向かって「泣きやまないと出さないよ」と告げている。女児は女性の膝（ひざ）から離れてドアに手を伸ばすがうまくいかない。動画は動画共有アプリ「ＴｉｋＴｏｋ（ティックトック）」の中国国内版「抖音（ドウイン）」で公開された。

女児が泣きやむと、動画を撮影していた女性が抱き上げ、「うるさくしたら、また（トイレに）連れてくるからね」と言い聞かせた。

以上が今月２４日、中国南西部の貴陽から上海へ向かう吉祥航空機内で起きた出来事だ。

同社が２６日の声明で明らかにしたところによると、祖父母と共に搭乗していた女児は３時間近くのフライトの間泣き通しだった。そこで乗客２人が、女児をトイレに連れて行った。「女児にしつけをする」ためで、祖母もこれに同意していたという。

しかし翌日になると批判の声が殺到。同社の顧客サービス部門は、当該の出来事と「乗務員による見落とし」を謝罪した。さらに乗客２人の行動も非難したという。国営メディアの南方都市報が伝えた。

動画を撮影した女性は、他の乗客が「くつろげるようにする」ための行動だったと説明したが、投稿には多くのユーザーから批判が寄せられた。女性には思いやりがなく、女児をいじめていると糾弾する内容で、後に当該の動画は削除された。

ユーザーからは「誰もがかつては子どもだった。冷血な大人になってはいけない」といったコメントが投稿され、多くの賛同を得た。女児の精神衛生に悪影響を及ぼすのではないかと懸念するユーザーも多かった。

複数の国営メディアもこの件を取り上げ、女性２人の行動を「不適切」と非難する一方、感情をコントロールできない幼い子どもについて「もっと理解を深める」よう一般の人々に対して呼び掛けた。

近年の中国のソーシャルメディアでは、航空機や電車で子どもが泣く、もしくは癇癪（かんしゃく）を起こすことに対する不満の声がしばしばトレンド入りする。多くは親たちが自分の子どもの行動をきちんと管理できていないと非難する内容になっている。