ウクライナ軍、東部激戦地ブフレダルから撤退 「人員守るため」
(CNN) ウクライナ軍は2日、東部ドネツク州の激戦地ブフレダルから撤退したと発表した。部隊がロシア軍に包囲される恐れがあり、「人員と軍装備を守る」ための決断だと説明した。
CNNが検証した映像には、荒廃したブフレダルの市庁舎のがれきの上でロシア国旗を振る兵士らが映っている。
ロシアのプーチン大統領はウクライナ東部のドンバス地方全域を支配下に置くことを狙っており、ロシア軍は今年、少しずつ前進し支配地を拡大している。
高台にあるブフレダルは炭鉱の町で、ポクロウスクの南約50キロメートルに位置する。ポクロウスクのような輸送・物流拠点ではないものの、ブフレダルは東部と南部を結ぶ地点にある。ウクライナ軍はブフレダルの防衛体制を強化し、重要なとりでとみなしていた。
ブフレダルの戦前の人口は約1万4000人だったが、現在では100人あまりとなっている。
ウクライナ軍や親ロシアの軍事ブロガーによると、ロシア軍は多くの犠牲をいとわず次々と兵士を送り込み、力ずくで前進してきた。
ロシア軍がブフレダル制圧のために予備役の人員を投入できたという事実は、兵力でウクライナを上回っているということを浮き彫りにしている。
あるウクライナ兵は、ブフレダルで戦っていた兵士らはロシア軍のドローンからの攻撃を受けながら小グループになって撤退したとSNSに投稿した。負傷した兵士らは放置されたという。
戦況の打開を図るべく、ウクライナのゼレンスキー大統領は供与されたミサイルのロシア領での使用を認めるよう西側諸国に求めている。だが、承認は得られておらず、また冬を前に国内のエネルギー網が攻撃を受けており、極めて困難な状況にある。