トランプ大統領の「米国がガザ所有」発言、中東や欧州が一斉に反発
(CNN) トランプ米大統領の「パレスチナ人を移住させ、米国がパレスチナ自治区ガザ地区を所有する」という発言に対し、中東や欧州の各国から批判の声が上がっている。「国際法違反」「パレスチナ人がガザを再建すべき」との指摘が相次いだ。
パレスチナ自治政府の通信社WAFAが報じたところによると、パレスチナ自治政府のアッバス議長は5日、トランプ氏の案は「重大な国際法違反」だと非難した。「パレスチナ人は自分たちの土地や権利、聖地を手放したりはしない」とも述べた。
米国の同盟国で、米国から多くの支援を受けているエジプトやヨルダンを含め、中東諸国も一様にトランプ氏の発言に批判的な姿勢を示した。
エジプトのアブデルアーティー外相は、パレスチナ人がガザを去ることなく再建すべきと主張。サウジアラビアはパレスチナ国家の樹立への「揺るぎない」支持を改めて表明した。ヨルダンのアブドラ国王はパレスチナ人を移住させる考えを一蹴し、ユダヤ人の入植を止める必要性を強調した。
欧州各国でもトランプ氏の案に対し否定的な見方が広がった。フランス外務省の報道官は強制移住に反対することを強調し、ドイツのベアボック外相やスペインのアルバレス外相は「ガザはパレスチナ人のもの」と指摘した。
英国のスターマー首相は「パレスチナ人がガザを再建することが認められなければならず、我々は(パレスチナ国家とイスラエルの)『2国家解決』を支持すべき」と議会で述べた。
一方、イスラエルの極右政治家らはトランプ氏の案を歓迎している。ガザ停戦に反対して職を辞したベングビール前国家安全保障相はトランプ氏の計画を「解決策」と称賛し、実行されれば政権に戻ると言明した。