ウクライナ軍、ロシア・クルスク州で前進 交渉材料として利用か

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ロシアとの国境に位置するウクライナ・スームィ州の検問所/Viacheslav Ratynskyi/Reuters/File

ロシアとの国境に位置するウクライナ・スームィ州の検問所/Viacheslav Ratynskyi/Reuters/File

(CNN) ウクライナ軍が昨夏に越境攻撃を仕掛けたロシア南西部クルスク州で新たな攻撃を開始した。米国では新たに就任したトランプ大統領がウクライナ情勢をめぐり、停戦交渉を進める意欲を示している。

米シンクタンク戦争研究所(ISW)によれば、ウクライナ軍は今月6日にクルスク州で新たな攻勢を仕掛け、スジャ南東の前線で最大5キロ前進した。

今回の侵攻が、より多くの領土の確保を狙ったものなのか、ウクライナ軍の防衛陣地の補強のためなのかは不明だが、ISWのアナリストは、このような規模の前進は印象的だと述べた。

ウクライナ軍による昨年の越境攻撃は支援国をも驚かせた。他の前線での状況は非常に厳しいものの、ウクライナ軍はクルスク州での戦闘を継続している。

ロシアは7日、ウクライナ東部のトレツクを占領したと発表した。同市はこの半年、戦いの中心地のひとつだった。ウクライナはトレツクについて発表は行っていないものの、確認されれば、ロシア政府にとっては、また一つ戦略的な勝利をおさめたことを意味し、ロシア軍がウクライナの要衝にさらに近づくことになる。

ウクライナでは兵士の一部も含めて、貴重な人的・物的資源をクルスク州に投じることについて疑問の声が出ている。ウクライナ軍は自国の防衛にも苦慮している。

この疑問の答えは、トランプ氏がウクライナに対して、ロシアとの早期の停戦協議に合意するよう圧力をかけ始めるかもしれないとの予想にありそうだ。

ISWのアナリストは、ウクライナ軍がクルスク州で支配下に置いているのは野原や集落であり、他の都市の脅威となっておらず、本質的に価値のあるものは何もないとしたうえで、それでも、将来の和平交渉を考えれば、ロシアの領土を支配下に置いていることは貴重な資産となり得る可能性があるとの見方を示した。

トランプ氏が停戦に向けた交渉を呼び掛けるなか、ウクライナのゼレンスキー大統領は、クルスク州を交渉材料と考えていることを明確にしている。

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