ロシア外相、戦争終結めぐる協議で妥協しない姿勢
(CNN) ロシアのラブロフ外相は17日、ロシア首都モスクワで開かれた記者会見で、近く開催が予定されているウクライナでの戦争の終結に向けた協議をめぐり、妥協することはないとの姿勢を示唆した。
ウクライナでの戦争をめぐり、米国とロシアの当局者は18日にサウジアラビア首都リヤドで協議を行う。トランプ米政権は、交渉によって和平に到達するには、ロシアとウクライナの双方が痛みを伴う妥協と譲歩を行う必要があるとの見方を示している。
ラブロフ氏は、ロシアは妥協に前向きかとの質問に対し、誤った主張が含まれる長い返答のなかで、ロシア政府が交渉では強硬な姿勢で臨むことを示唆した。
ラブロフ氏は、「現在ウクライナと呼ばれている地域」の領土は「何世紀にもわたりロシア人によって開発」されたと指摘。ラブロフ氏のこうした発言は、ロシアのプーチン大統領が2021年に発表した長文のエッセーで指摘した、ロシア人とウクライナ人は「一つの民族であり、一体だ」とする誤った主張と同様のものだ。
ラブロフ氏は、第2次世界大戦で、ナチスドイツの打倒に貢献したウクライナ人を称賛したが、ウクライナには「ナチスの習慣」が存在しており、ウクライナ人は「ヒトラー主義の殺人者よりもさらに凶悪な行いをしている」と述べた。こうした誤った主張もロシア政府と同様だった。ロシア政府はかねて、ウクライナを「非ナチ化」する必要があるとして、いわれのない侵略を正当化しようとしている。
ラブロフ氏は、ロシアのプーチン大統領と米国のトランプ大統領について、両者はロシアと米国の「異常な時期」を終わらせたいと望んでいるとの見方を示した。
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米国のトランプ大統領(左)とロシアのプーチン大統領は、米ロの「異常な時期」を終わらせることを望んでいるという/Reuters/Getty Images
ラブロフ氏によれば、先に行われたプーチン氏とトランプ氏との電話協議で、両首脳は、特定の技術的な問題や人道的な問題を除いて両国が本質的に意思疎通を行わなかった異常な時期を終わらせる必要性に合意したという。