クルスク州のガス施設に攻撃、ロシアとウクライナが非難の応酬
(CNN) ロシアとウクライナは21日、ロシア・クルスク州にあるガス計量施設への攻撃を巡って非難の応酬を繰り広げた。同州スジャに位置するこの施設は、両国の国境から数百メートルしか離れていない。
数日前には米国が両国に対して、エネルギーインフラへの攻撃を一時停止するよう申し出たばかり。
ロシア国防省は、ウクライナ政府が「意図的に施設を攻撃した」と主張。施設はウクライナ軍が昨年8月に予想外の越境攻撃を仕掛けて以降、同国の支配下にあった。
ロシア政府の主張によれば、ウクライナ軍は「クルスク州から撤退する際」に施設を爆破した。目的は「米大統領の和平構想に対する信用を傷つける」ことだったという。
ウクライナ政府はそうした非難には「根拠がない」とし、ロシア側こそウクライナの信用を傷つけ、国際社会をミスリードしようとしていると主張した。
「事実、施設はロシア人自身によって繰り返し砲撃されている」。ウクライナ参謀本部は21日、SNSのテレグラムにそう投稿した。
ウクライナ軍によれば、ロシアは3日前にも同じ施設へミサイルを撃ち込んでいたという。
ウクライナのイエルマーク大統領府長官は21日、X(旧ツイッター)への投稿で「ロシアは皆を欺き、自分たちが停戦を守っているかのように見せているが、そうした試みはうまくいかないだろう。ガス施設への攻撃に関するフェイクニュースも(うまくいかない)」と指摘した。
スジャにあるガス計量施設は、ロシア産天然ガスをウクライナ経由で欧州に供給する最後の経路だった。スジャを通じた天然ガス輸送は、ウクライナ政府が契約更新を拒んだため今年1月1日午前に停止した。
スジャはウクライナ軍がクルスク州への越境攻撃で掌握した最大の都市だったが、ロシア軍は1週間以上前に同市の奪還を発表していた。
ロシアのプーチン大統領は18日、トランプ米大統領と長い電話会談を行い、ウクライナのエネルギー施設を狙った攻撃を一時的に停止することで合意した。翌日にはウクライナのゼレンスキー大統領も、トランプ氏との電話会談後、エネルギー施設への攻撃停止を支持する意向を示していた。