ウクライナ北東部にミサイル攻撃、34人死亡 国際社会から非難の声
ウクライナ・スーミに攻撃、多数の死傷者
(CNN) ウクライナ北東部スーミで13日、ロシアによるミサイル攻撃があり、少なくとも34人が死亡した。ミサイルはキリスト教の行事のために集まった住民を襲った。今回の攻撃は、今年の戦闘で最も犠牲者の出たものとなった。
ウクライナの緊急当局によれば、死者の中には2人の子どもも含まれる。そのほかに117人が負傷した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は今回の攻撃について、弾道ミサイルが使われたと明らかにした。1発が大学の建物に命中し、もう1発は街の上空で爆発したという。
ゼレンスキー氏は国際社会に対して「強力な対応」を求めた。「侵略者への圧力なしに平和はありえない。対話によって弾道ミサイルや爆弾が止まることはない。ロシアにはテロリストにふさわしい対応を取る必要がある」
ウクライナのスビリデンコ経済相によれば、今回の攻撃は、キリスト教の行事が行われていた日に街の中心部を襲った。この日は年間で最も住民が教会に出向く日の一つだという。
52歳の女性はロイター通信の取材に対し、母親が頭部のけがのために病院に搬送されたと述べた。爆発によって窓枠は吹き飛び、台所や居間のあちこちにガラス片が飛び散った。ロイター通信の映像には、建物の外で、焼け焦げた車両の横に、がれきや私物が散乱している様子が捉えられている。
ウクライナ当局は初期の情報として、今回の攻撃にはクラスター爆弾が使用されたことが示唆されると語った。クラスター爆弾は搭載した複数の爆発物を広範囲にばらまくため、人口密集地の近くで発射されると民間人にとって非常に危険だ。
今回の攻撃をめぐっては、直後に国際社会から非難の声が出ている。米国のルビオ国務長官は「恐ろしいロシアのミサイル攻撃」の犠牲者に弔意を示した。
欧州連合(EU)の外相にあたるカラス外交安全保障上級代表は攻撃について、「ウクライナが無条件での停戦を受け入れた一方で、ロシアが攻撃を激化させている恐ろしい事例」と指摘した。フランスのマクロン大統領は、停戦には「強力な措置」が必要だとの見方を示した。