全電動旅客機「アリス」、初飛行に成功 8分間飛行
ニューヨーク(CNN Business) イスラエルのエビエーション・エアクラフトが開発した世界初となる全電動旅客機「アリス」は27日、米ワシントン州のグラント郡国際空港で初飛行に成功した。
アリスは8分間にわたって飛行し、高度は3500フィート(約1000メートル)に達した。
エビエーションのグレゴリー・デービス社長兼最高経営責任者(CEO)はCNN Businessの取材に対し、「これは歴史だ」と喜びを語った。デービス氏は「我々は推進技術の変化について、ピストン機関からタービン機関に移って以来目撃していなかった。今回のように全く新しい科学技術が結集したのを目撃したのは1950年代が最後だった」と述べた。
バッテリーに使われているテクノロジーは電気自動車(EV)や携帯電話のものと同様で、充電時間は30分。9人乗りのアリスは1時間にわたって飛行が可能で、飛行距離は約814キロ。巡航速度は最高で時速約463キロ。ボーイング737の巡航速度は同約946キロとなっている。
エビエーションは2015年の創業で、アリスの開発を進めてきた。今回の飛行で収集した情報をもとに次の段階を検討する。27年までに顧客に機体を納入することを目指しているものの、計画は変更される可能性もある。
25年まで米連邦航空局(FAA)が認証する機体の開発を進め、1年から2年かけて試験飛行を行い、その後、顧客に対して納入が行われるという。