ロシアの資金、来年に底つく可能性 新興財閥が指摘
ロンドン(CNN) ロシアは早ければ2024年にも資金が底をつく可能性があり、外国からの投資を必要としている。歯に衣(きぬ)着せぬ発言で知られる同国のオリガルヒ(新興財閥)、オレグ・デリパスカ氏がそのような見解を示した。
2日にシベリアで開かれた経済会議で述べた。ロシア国営メディアのタス通信が報じた。
デリパスカ氏は昨年、ロシアによるウクライナでの戦争の終結を紛争初期の時点で求めていた。同氏の発言とは対照的に、ロシアのプーチン大統領は先週、同国経済の先行きを上向きに評価。経済的な強靭(きょうじん)性に触れ、西側諸国が過去1年間に科した前例のない制裁にも耐えてきたと称賛していた。
ロシア政府の初期段階の推計によれば、同国の国内総生産(GDP)は2.1%縮小。エコノミストの多くが事前に予測した水準よりも限定的な落ち込みにとどまった。
それでも今月に入り石油生産を縮小するなど、危険な兆候は表れている。西側が今後一段の制裁強化に動く可能性もあり、ロシア経済の見通しはウクライナでの戦況に左右される。
外国の投資家、とりわけ「友好」国の投資家らも大きな役割を果たすとデリパスカ氏は指摘。同氏によると彼らが出資するかどうかはロシアが適正な状況を作り出し、国内市場を魅力的なものにできるかどうかにかかっているという。
侵攻に充てるロシアの資金を枯渇させるため、西側諸国は昨年2月以降1万1300件を超える制裁を発表。ロシアの外貨準備3000億ドル(現在のレートで約40兆円)余りを凍結した。
中国がロシア産エネルギー購入などで経済的支援を提供している側面はあるものの、ロシア政府の今年1月の収入は前年同月比で35%減少した。一方で支出は59%増加しており、財政赤字は約1兆7610億ルーブル(約3兆円)となっている。
ソ連崩壊後の混乱の中、アルミ事業で財産を築いたデリパスカ氏の現在の純資産は、米誌フォーブスの推計で30億ドル弱。