受注低迷脱せず5月は4機のみ、安全への疑念続くボーイング
ニューヨーク(CNN) 米航空機製造大手「ボーイング」は13日までに、同社が先月受注した新型機は4機のみで、全てが787型機だったと報告した。今年4月の計7機からさらに落ち込んだ。
安全運航面で最近、トラブルが相次ぎ、米連邦航空局(FAA)が通常の商業便の再開をまだ承認していない737MAXシリーズ機への注文はなかった。
いずれも昨年5月に受注した計69機をはるかに下回る水準となっている。今年これまで獲得した新型機の新規契約は計142機で、昨年の最初の5カ月間での業績に比べ36%減となっている。
142機のうち、今年3月にアメリカン航空が新たに求めた737MAX10型機の85機が大半を占める。ただ、FAAは同型機の乗客を収容しての運航復帰をまだ認めていない。
MAXシリーズでは米アラスカ航空の9型機が今年1月、飛行中に内部側壁の一部が吹き飛ぶ前代未聞の異常事態を起こしてもいた。製造工程面での安全対策に関する疑問が強まり、多数の調査へつながった。FAAはMAXシリーズの機材の生産率に制限も課している。
顧客への機材引き渡しの件数にも悪しき影響が出ており、今年5月は前月同様、24機だった。前年5月の50機から半分以下の規模に落ち込んでいた。新型機の契約金の多くは機材の納入時に受け取るため引き渡しの減少はボーイングの財務面にも打撃を与える結果となっている。