美味しい食事は刑務所で――シェフも給仕も受刑者が担当 英
食事客は18歳以上のみで、48時間以上前に事前予約が必要。入店にはパスポートなどの身分証明書の提示が必要とされる上、携帯電話をはじめ、カメラや大型バッグ、ノートパソコン、鋭利なものはいずれも持ち込み禁止だ。
持参できる現金も80ドル(約8000円)以内と決まっており、食事代は小切手や事前に用意した明細票によって支払われる。さらに、来店者の指紋摂取や写真撮影、一連の身体検査や所持品検査まで行われる。ちょうど空港での検査のようなものだという。
このように規則は厳しいが、客足が遠のくことはない。去年は1万8000人あまりがクリンクのレストランで食事をした。
運営方法
刑務所の等級によってレストランの運営方法も異なってくる。
ハイダウン刑務所はB級(英国ではAからDまで等級があり、A級がもっとも厳重)に指定されている。そのため、利用者には英国内務省の事前認可が求められるほか、ナイフやフォークはプラスチック製のみ、アルコールの提供はないなど、特別な措置が取られている。
ちなみにブリクストン刑務所はC級、カーディフ刑務所はD級だ。カーディフの場合は敷地内ではなく、刑務所に隣接する形でレストランが設置されている。