美味しい食事は刑務所で――シェフも給仕も受刑者が担当 英
シェフや給仕人はいずれも受刑者で、刑期満了まで6~18カ月を残す。週40時間フルタイムで訓練を受けたうえに、調理や接客、清掃などの資格を得るための勉強も怠らない。
ムーア氏によると、2017年までに国内の10カ所の刑務所でレストランを開店する計画だという。
今のところ取り組みは順調だ。12年12月の統計によると、クリンクのプログラムを修了した受刑者の再犯率は、11年の1年間で12.5%ほど。英国全体の平均である47%と比べて低い数字だ。
とはいえ、課題もある。費用がかさむ上、現時点では利益を出すことができていない。09年のクリンク設立に携わったアルベルト・クリスティー氏は、個人で30万ポンド(約5000万円)を調達しなければならなかった。
ムーア氏によると、現状でも、各レストランにつき年15万ポンド程度(約2500万円)の赤字を計上している状態だという。出所後の継続支援も含め、受刑者の訓練に費用がかかるためだ。英刑務所運営サービス(HMPS)や政府、個人の慈善活動家から資金援助を受け、損失を軽減しているのが実情だ。
料理
では肝心の料理はどうだろうか。