中国の隕石ハンター 冒険者は一攫千金を夢見る
シュー氏は、「隕石の市場価格は、その希少性で決まる」とし、「隕石に精通し、その重要性を熟知している人もいるが、購入者の大半は一般人で、彼らは偽物をつかまされている」と付け加えた。
隕石に夢中になったきっかけは
米航空宇宙局(NASA)によると、1日に地球に降り注ぐ隕石物質の総量は約44トンに上るという。大半の隕石は大気圏で燃え尽きるが、一部の隕石は落下に耐え、風変りな場所に落下する。7月末には隕石と思われるサッカーボールほどの大きさの石がインド東部の田んぼに落下した。
隕石に当たって人が死亡した事例は確認されていないが、国際彗星季報(ICQ)は隕石のニアミス事故を追跡しており、隕石が住宅や車に衝突した多くの事例を掲載している。
チャン氏が隕石に夢中になり始めたのは2009年のことだ。
休暇中に中国のリゾート地、海南島でサイクリングをしていたチャン氏は、夜空に燃えさかる火の玉を目撃した。この火の玉は、海南省の三亜市から南シナ海の西沙諸島にかけて目撃された。
当時、チャン氏は家業の宝石事業を営んでいたが、間もなく隕石にのめり込み、隕石の勉強を始めた。当初はインターネットや図書館で勉強していたが、その後、紫金山天文台を訪れた。
南京市内にある同天文台は1928年に「天文研究所」として設立された。現在は中国の宇宙物体研究の拠点であり、シュー氏のような専門家らが、チャン氏のようなハンターたちが持ち込んだ隕石を分析している。チャン氏は、同天文台でシュー氏と出会い、2人は友人となり、隕石についてメッセージや情報を交わした。
専門家らは、隕石を査定する際、隕石と普通の石や岩とを区別する隕石の2つの特徴を探す。