世界最大の細菌発見 長さ1センチ、人に例えれば「エベレスト並みの身長」
これまでは、環境とのかかわり方やエネルギー生成の仕組みを理由に、細菌が肉眼で見える大きさに成長することはないと考えられていた。
しかしT.マグニフィカは張り巡らした薄膜を通じてエネルギーを生成でき、表面だけに頼らなくても、細胞を通して栄養分を吸収できていた。ボーランド氏はこの巨大な細胞を3次元で視覚化して観察している。
T.マグニフィカはさらに、単細胞の中に遺伝物質が自由に浮かんでいる一般的な細菌と違って、薄膜に覆われた「ペピン」と呼ばれる小さな袋の中にDNAが入っていた。
T.マグニフィカは「ペピン」と呼ばれる小さな袋の中にDNAが入っていた/Olivier Gros
「これは人体や動物、植物を構成するもっと複雑な細胞の特徴だ」とボーランド氏は指摘し、ペピンの働きや、巨大化したT.マグニフィカの進化との関係を探りたいと話す。
T.マグニフィカはグアドループの浅瀬にあるマングローブ林で、腐ったマングローブの葉の表面に白い繊維のような形状で付着しているのが見つかった。