世界最大の湖、カスピ海が急速に縮小 浅瀬は完全に消滅との予測も
(CNN) カスピ海は地球最大の内海であり、最大の湖で、その大きさはおおよそ米モンタナ州の面積に相当する。湾曲した海岸線は約6400キロにおよび、カザフスタン、イラン、アゼルバイジャン、ロシア、トルクメニスタンの5カ国にまたがっている。
これらの国々は、漁業、農業、観光、飲料水、そして石油とガスの埋蔵量をカスピ海に依存している。またカスピ海はこの乾燥地域の気候を調整し、中央アジアに降雨と湿気をもたらす役割も担っている。
しかし、カスピ海は問題を抱えている。
ダム建設、過剰採水、汚染、さらには人為的な気候危機がカスピ海の衰退に拍車をかけ、一部の専門家はカスピ海が取り返しのつかないところまで追い込まれているとの懸念を示す。
気候変動は世界の海面を上昇させるが、カスピ海のような内海や湖の場合は話が変わる。カスピ海は、川や降雨によって流れ込む水と蒸発によって流れ出る水の微妙なバランスに依存している。このバランスは地球の温暖化に伴って変化しており、多くの湖が縮小している。
未来がどうなるかは近くを見ればすぐに分かる。カザフスタンとウズベキスタンにまたがるアラル海はかつて世界最大規模の湖だったが、人間の活動と深刻化する気候危機によって壊滅し、ほぼ消滅した。