中国人実業家、ニューヨーク・タイムズ紙買収に意欲
北京(CNNMoney) リサイクル事業で成功し、巨万の富を築いた中国人実業家、陳光標氏が米ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙の買収に意欲を見せている。陳氏は3日にニューヨークに飛び、NYTの代表と面会する予定だという。
総資産8億1000万ドル(約845億円)と言われる陳氏は、風変わりな慈善活動家としても知られ、環境保護運動を促進するために「新鮮な空気」入りの缶詰めを発売したこともある。
しかしNYTの買収については真剣で、CNNが2日に行ったインタビューでも「決して売名行為ではない」とし、「この2年間、NYTの買収を夢見てきた。私は非常に真剣だ」と語った。
しかし、陳氏の夢の実現は容易ではなさそうだ。陳氏は最初の提示額として10億ドル(約1050億円)を用意したとしているが、NYTの現在の時価総額約24億ドル(約2500億円)とはかなりの開きがある。また、特別な議決権のあるクラスB株式を保有するNYTのオーナー一族も売却をきっぱりと否定している。
陳氏は「NYTの幹部らは売却を否定しているが、あきらめるつもりはない。いずれ私の誠意が先方に伝わり、買収が実現することを祈っている」と語った。
そして買収が成功した暁には、同紙の編集方針を変える考えを明らかにした。陳氏は「(NYTは)中国に関するポジティブな情報を発信するための基盤になると考えている」とし、「これまで中国はさまざまなレベルで誤解されてきた」と付け加えた。