スカーレット・ヨハンソンさん、AI規制訴え カニエ・ウェストさんの反ユダヤ主義批判する偽動画の拡散受け
(CNN) 人工知能(AI)を使って作成された、女優のスカーレット・ヨハンソンさんや他の有名人のディープフェイク動画が今週、SNSで拡散されたことを受け、ヨハンソンさんは反ユダヤ主義を非難するとともに、AIから一般市民を保護するための立法を求めている。
このAI動画には、中指を立てた手、ダビデの星、米ラップ歌手カニエ・ウェスト(現イェ)さんの名前が入ったTシャツを着たヨハンソンさんの画像が映っていた。この動画は偽物ではあったが、ヨハンソンさんや他の人々がウェストさんの最近の反ユダヤ的発言や、同氏のウェブサイトで販売していたかぎ十字のシャツに反応していることをほのめかすものだった。ウェストさんのウェブサイトは現在、同サイトが掲載されているプラットフォームによって停止されている。
ヨハンソンさんは「私はユダヤ人女性であり、いかなるたぐいの反ユダヤ主義やヘイトスピーチも容認しない。しかし、AIによって増大するヘイトスピーチのリスクは、そのことに責任を負うひとりの人間よりもはるかに大きな脅威であるとも信じて疑わない。メッセージの内容が何であれ、AIの悪用を糾弾しなければならない。そうしなければ、現実を制御できなくなる危険がある」と訴えた。
![人工知能(AI)を使って作成されたスカーレット・ヨハンソンさんの動画/From Ori Bejerano/Instagram](/storage/2025/02/13/d3cc6696ed42ebaeea5590bd4b3c7465/scarlett-johansson-video-ai-generated-image-screenshot-thmbnail.jpg)
人工知能(AI)を使って作成されたスカーレット・ヨハンソンさんの動画/From Ori Bejerano/Instagram
このフェイク動画には、アダム・レビーンさんや、レニー・クラビッツさん、ナタリー・ポートマンさんらのAI生成画像も含まれており、祝いごとの席で演奏されるユダヤの民謡「ハバ・ナギラ」が付けられている。
ヨハンソンさんは、同意のないAI利用に対して特に声をあげている有名人のひとり。昨年には自分の声に「不気味なほど酷似した」合成音声が「ChatGPT(チャットGPT)」に使用されているとして、弁護士を立て、開発元であるオープンAIに異議を申し立てた。
ヨハンソンさんは12日の声明で、AIの乱用に対して立法措置を取るよう議員らに求めた。
このAI動画は、生成AIの専門家を名乗る人物によって作成された。この人物が投稿した元の動画には、「このコンテンツは本物らしく見えるようAIでデジタル的に作成または改変されている」という注意書きが含まれている。
動画のキャプションにはヘブライ語で「沈黙をやめ、カニエ・ウェストのような反ユダヤ主義者に可能な限り強く反応するときが来た」「ソーシャルネットワークに反ユダヤ主義と憎悪の助長をやめるよう要求しなければならない」と書かれている。