外出制限で電子監視システム、プライバシーに懸念の声も モスクワ

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人影のない赤の広場をパトロールする警官/Alexander Zemlianichenko/AP

人影のない赤の広場をパトロールする警官/Alexander Zemlianichenko/AP

モスクワ(CNN) 新型コロナウイルス感染が拡大しているロシアの首都モスクワで、市民の外出状況を監視する電子システムが導入された。プライバシー侵害を懸念する声も上がっている。

システムはソビャーニン市長が10日に発表し、15日から義務化される。14歳以上のモスクワ市民と周辺住民は外出の際、政府のウェブサイトかスマートフォンのアプリ上で経路と目的を事前に申請し、QRコードを取得する必要がある。

当初は公共交通機関の利用者に限定されるが、対象は段階的に広がり、自宅周辺に出掛ける場合も適用されるようになる見通しだ。

警察は外出者のQRコードをスキャンし、許可を得ていなかったり、意図的に虚偽の情報を提示したりした場合は罰金を科す。通勤を続ける人は特別な許可を得ることができるが、車での買い物など個人的な外出は週2日に制限される。

市当局はシステム導入に先立ち、13日には市内へ通じる道路を封鎖し、正当な理由がない車の進入を制限した。

専用サイトを利用するには、当局が市民の交通違反歴や公共料金の納付状況、旅券などの情報を保管しているデータベースに登録する必要がある。納税番号や自動車ナンバーの入力、身分証明書のアップロードも求められる。

地元の野党議員はこのシステムを「サイバー収容所」と呼ぶなど、反発を示している。

市長室は全てのデータについて、外出禁止措置が解除されれば消去する方針を示しているが、個人情報が流出して悪用される可能性を指摘する声もある。

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