フェイスブックの告発者が実名でテレビ出演、公益より「利益優先」と会社批判
ニューヨーク(CNN Business) 米SNS大手フェイスブックの社内報告書など大量の文書を流出させ、同社を非難の矢面に立たせるきっかけをつくった内部告発者が3日、調査報道番組「60ミニッツ」に実名で出演した。
告発者はフェイスブックのプロダクトマネジャーを務めていた元従業員のフランシス・ハウゲン氏(37)だった。同氏は問題の社内文書について、フェイスブックは自分たちのサービスが憎悪や暴力、偽情報の拡散に使われていることを知りながら、その証拠を隠そうとしていたことを裏付けると語った。
「私がフェイスブックで何度も繰り返し目にしたのは、一般の人のために良いことと、フェイスブックのために良いことの間の利益相反だった。そしてフェイスブックは何度も繰り返し、収益を増やすといった自らの利益のための最適化を選択した」。ハウゲン氏はそう証言した。
番組で紹介されたフェイスブックの内部文書にはこう記されていた。「フェイスブック上の憎悪発言や分断を引き起こす政治的発言、偽情報、および一群のアプリが世界中の社会に影響を与えていることをさまざまな筋から裏付ける証拠がある」
ハウゲン氏は1カ月ほど前、フェイスブックが自社の欠点に関する調査結果を隠しているとして、米証券取引委員会に少なくとも8件の申し立てを行った。同時に米紙ウォールストリート・ジャーナルにもこの文書を共有。同紙の調査報道では、フェイスブックが偽情報の悪影響や、傘下のインスタグラムが特に若い女性に与える有害性を認識していたと報じた。
ハウゲン氏はグーグルやピンタレストといったIT大手勤務を経て、2019年にフェイスブックに入社した。5日には米上院消費者保護・製品安全・データセキュリティ小委員会で証言を予定している。