マスク氏、激戦州の登録有権者に「毎日1億5千万円」配る 違法性の指摘も

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米実業家のイーロン・マスク氏。「言論の自由と銃所持の権利」を支持する請願書に署名した有権者を対象に、毎日1人に100万ドルを配ると発表した/Anna Moneymaker/Getty Images

米実業家のイーロン・マスク氏。「言論の自由と銃所持の権利」を支持する請願書に署名した有権者を対象に、毎日1人に100万ドルを配ると発表した/Anna Moneymaker/Getty Images

ワシントン(CNN) 米実業家のイーロン・マスク氏は19日、激戦州の登録有権者に毎日100万ドル(約1億5000万円)を配ると発表した。この発言は有権者登録や投票に対価を支払うことを禁じる法律に違反する可能性があるとして、選挙法の専門家からすぐに批判の声が上がった。

マスク氏はペンシルベニア州ハリスバーグでの選挙イベントで「激戦州の有権者100万人以上、おそらく200万人に、憲法修正第1条と第2条を支持する嘆願書に署名してもらいたい。今から選挙まで毎日、嘆願書に署名した人に無作為に100万ドルを授与するつもりだ」と述べた。

X(旧ツイッター)の所有者で電気自動車(EV)テスラの最高経営責任者(CEO)でもあるマスク氏は、自身の政治活動委員会が立ち上げた、言論の自由と銃所持の権利を支持する嘆願書に言及していた。一部の有権者登録期限の直前に開設されたウェブサイトには、「このプログラムは、ペンシルベニア州、ジョージア州、ネバダ州、アリゾナ州、ミシガン州、ウィスコンシン州、ノースカロライナ州の登録有権者のみが対象」と書かれている。

世界一の富豪であるマスク氏は、トランプ支持のスーパーPAC(政治活動委員会)に7500万ドル以上を寄付しており、この懸賞がトランプ氏の支持者の登録を促進することを期待していると述べた。同氏は最近、ペンシルバニア州でトランプ氏を擁護するイベントを開催。請願書を宣伝し、2020年の選挙に関する陰謀論を広めた。

最初の100万ドル当選者は19日に発表され、マスク氏はハリスバーグでのイベントでこのトランプ氏の支持者に巨額の小切手を手渡した。翌日には同州ピッツバーグで開かれたイベントで2番目の当選者を発表。「早めに投票を」と書かれた大きな看板が飾られたステージで別の小切手を配った。

民主党のシャピロ・ペンシルベニア州知事は20日、NBCニュースのインタビューで、マスク氏の賞金提供は「強く懸念される」ものであり、「法執行機関が調査する可能性がある」と述べた。シャピロ氏は以前、州司法長官を務めていた。

連邦法は「有権者登録または投票のために金銭の授受や支払いの申し出」を行うことを犯罪としており、最高5年の禁錮刑が科される。

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