NYグランドセントラル駅、100年の歴史を振り返る
ニューヨーク・タイムズ紙は、ごみ箱の設置と同時に新聞の売り上げが激減したことに気付いた。通勤客が新聞を買わずに捨てられた新聞を拾うようになったためだ。そこで、同紙は即座に対策を講じた。
2001年以来、同紙は一度捨てられた新聞を取り出せないように巧妙に設計されたごみ箱を維持するために、多額の費用を投じている。
1998年:改装
1990年代半ばに行われたグランドセントラルの改装工事は、完成までに12年を要した。その間、駅舎の電球から天井に描かれた巨大な空の景色まで、すべてを念入りに洗浄し、磨き上げた結果、それらは戦前の輝きを取り戻した。
しかし、大理石を調達していた採石場が閉鎖されてしまったら一体どうすればいいのか。無論、採石場を再開するよう要請し、その一方で石工職人が引退しないよう引き止め、万全を期すだろう。
駅舎の改装計画の総費用が1億6000万ドルもかかった背景には、そのような事情があった。
2000年代:米国一のショッピングセンター
グランド・セントラルは毎日70万人が利用しているが、そのうち約1万人は切符を持っていない。
彼らはキセルをしているわけではなく、買い物のために駅を訪れる。彼らが毎年、ターミナル内で使う費用の総額は1億5000万ドルに上る。ターミナルには小売店が50軒、飲食店が20軒、レストランとカクテルラウンジが5軒入っている。
グランド・セントラル・ターミナルは、1平方フィート当たりの売り上げでは商業的に米国で最も成功しているショッピングセンターといえる。