米議事堂襲撃、警官4人が生々しい証言 下院委で初の公聴会
「観光客の訪問」とは全く違う
トランプ氏やその側近は、議事堂襲撃で起きた暴力が大きく扱われないようにしようと積極的に動いてきた。一部の議員は、反乱は存在せず、暴徒は暴力的でなく武装もしていなかったと示唆。ジョージア州のアンドルー・クライド議員は襲撃を「通常の観光客の訪問」になぞらえたりもした。
トランプ氏は米紙ワシントン・ポストの記者によるインタビューで、「愛情のある群衆」だったとも発言している。
だが、公聴会での証言は、襲撃をごまかそうとするこうした試みに切り込むものとなった。ボディーカメラの映像が見せた状況は暴力であり、見るに堪えなかった。
警官らは、トランプ氏支持者による暴力が、彼らが守ろうとした議員によって無視されようとしてきたことに怒りを示した。
ファノン氏は「この部屋にいる人々を守るために地獄に行ったような気分だった。だが、あまりに多くの議員が今、地獄は存在しなかった、または実際そんなにひどくはなかったと私に言っている」と発言。机を強くたたいて、「私の同僚に示された無関心は恥ずべきものだ」と声を張り上げた。
委員に選ばれた共和党議員2人のうちの一人、リズ・チェイニー氏は、ゴネル氏にトランプ氏の「愛情のある群衆」という発言についてどう感じるかを質問。ゴネル氏は「気分を害する。自分の行動に対する哀れな言い訳だ」と答えた。
特別委員会はトランプ氏を追及へ
チェイニー氏の質問を除いては、公聴会がトランプ氏の役割に触れることはほとんどなかった。
だが、その方向性は明確だ。
ベニー・トンプソン委員長は公聴会の冒頭、「我々から民主主義を奪い取ろうとした暴徒はうそによって駆り立てられていた」「そうしたうそに格好の場所は与えない。こうした大きなうそがまかり通った方法と原因を理解する必要がある」と述べた。
トランプ氏や共和党の同僚議員から懲罰が求められているチェイニー議員は、国民が「1月6日の計画と準備について知るすべての人物」からの証言を聞く権利があると主張した。
情報筋によると、司法省は元当局者が証言をしやすくするために、襲撃事件に関連した少なくとも一定の証人の証言には秘匿が求められる大統領特権を適用しないとしている。
トランプ氏やその側近、議会内の支持者が証言台に立つかは不明だが、委員会としてはそれも求めていく姿勢を示している。