ハリケーン被害で細菌感染症が急増、死者も 米フロリダ州

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ハリケーン「イアン」の影響を受けて流された車両やがれき=5日、米フロリダ州フォートマイヤーズビーチ/Rebecca Blackwell/AP

ハリケーン「イアン」の影響を受けて流された車両やがれき=5日、米フロリダ州フォートマイヤーズビーチ/Rebecca Blackwell/AP

(CNN) ハリケーン「イアン」による洪水で壊滅的な被害が出た米フロリダ州で、ビブリオ・バルニフィカスという細菌が引き起こす感染症の症例報告が急増した。

フロリダ州保健局によると、州内では今年に入って14日までにビブリオ・バルニフィカス感染症の症例65例が報告され、11人が死亡した。2021年の症例数は通年で34例、死者は10人だった。

感染者は同州リー郡の住民が多数を占める。イアンは9月28日、リー郡に上陸し、保健所は10月3日、ビブリオ・バルニフィカス感染症について同郡の住民に注意を呼びかけていた。

保健所によると、ハリケーンによる洪水の水やたまり水に触れてビブリオ・バルニフィカスに感染する症例が異常に増えている。リー郡の保健所に報告されたイアンに関係するビブリオ・バルニフィカスの症例は、9月29日以来、26例に上る。いずれも住宅への浸水や後片付けの作業でできた傷口から感染しており、リー郡の住民6人が死亡した。

イアン上陸前の症例数はリー郡で2例、フロリダ州全体では37例にとどまっていた。

ただ、州保健局は18日、「症例数は(ハリケーン以来)、減少している」と指摘した。

ビブリオ・バルニフィカスは温かい塩水にすむ細菌で、火が通っていない貝類の摂取や、皮膚の傷口を通して感染する。

米疾病対策センター(CDC)によれば、感染すると激しい下痢や腹部のけいれん、嘔吐(おうと)、発熱などの症状が出る。治療は必ずしも必要ではなく、重症化することはまれだが、長引く場合は抗生剤が処方されることもある。

重症化した場合、血液の感染や皮膚の病変を引き起こし、手足の切断や死亡に至ることもある。

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