トランプ氏暗殺未遂事件、当日のテキストメッセージと無線通話が示す警備の混乱

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閑散とした事件後の集会場=ペンシルベニア州バトラー/Evan Vucci/AP via CNN Newsource

閑散とした事件後の集会場=ペンシルベニア州バトラー/Evan Vucci/AP via CNN Newsource

(CNN) 米ペンシルベニア州の選挙集会で今月発生したトランプ前大統領の暗殺未遂事件で、現場の法執行機関要員らが交わしていたテキストメッセージや無線通話の内容が29日に公開された。要員らは当時、トランプ氏暗殺を図ったトーマス・クルックス容疑者の姿を見失っており、追跡を巡って意思疎通に混乱が生じていた実態が改めて明らかになった。

共和党のチャック・グラスリー上院議員(アイオワ州選出)の事務所が公開した文書によると、法執行機関の要員らはクルックス容疑者が会場近くの建物の屋根に上る1時間半以上前にその存在を認識し、問題視していた。同容疑者は屋根の上から壇上のトランプ氏に向かって8発の銃弾を発射した。

選挙集会当日の13日午後5時14分、要員1人が外で腰を下ろすクルックス容疑者の写真を撮影。20分後にはその画像をグループチャットに送信していた。

テキストメッセージには「若者が我々のいる建物の周囲を調べている」「距離計でステージの方を覗(のぞ)いているのを見た。参考までに。シークレットサービス(大統領警護隊)のスナイパーに警戒するよう伝えたければ。こちらは彼を見失った」といった文言が残されている。

ビーバー郡の狙撃班は容疑者が 「距離計でステージのほうを見ていた 」と指摘し、シークレットサービスに注意するよう知らせることを勧めている/Beaver Co. Emergency Services Unit via Sen. Charles E. Grassley
ビーバー郡の狙撃班は容疑者が 「距離計でステージのほうを見ていた 」と指摘し、シークレットサービスに注意するよう知らせることを勧めている/Beaver Co. Emergency Services Unit via Sen. Charles E. Grassley

それから10分後には、要員1人が二つ目のグループチャットに画像を送り、転送するよう求めている。転送先は特に指定していない。6分後の午後5時51分、グループの誰かが「送った」と返信した。

同じグループチャットのメンバーの一人は、自分たちがクルックス容疑者の行方を見失ったとも伝えている。銃撃発生のわずか15分前だ。

午後5時59分には、「(指揮所が)移動の方向を尋ねている」という書き込みに対し、誰かが数分後「よく分からない。建物に向かっていた。後退したと考えざるを得ないのでは。集会から離れる形で」と返している。

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