9・11同時テロ「首謀者」らとの司法取引、米国防長官が取り消し 国内で反発

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ハリド・シェイク・モハメド被告/AFP/Getty Images/FILE

ハリド・シェイク・モハメド被告/AFP/Getty Images/FILE

(CNN) オースティン米国防長官は2日、2001年9月11日の米同時多発テロの首謀者とされるハリド・シェイク・モハメド被告や共謀者との司法取引を突如取り消した。司法取引を成立させて事件を終結に導く努力は数年にわたり続いていた。

オースティン氏は2日夜に静かに発表されたメモで、こうした重大な判断の責任は「私にあるべきだ」と説明した。国防総省は2日前、ハリド被告および他の被告2人との司法取引が成立したと発表したばかりだった。

メモはグアンタナモ軍事法廷を運営する軍事委員会の責任者、スーザン・エスカリエ氏に宛てられたもので、本件で同氏に付与した権限を即時撤回すると表明。オースティン氏自身がこの権限を担う方針を明らかにした。

オースティン氏はまた、3被告の死刑の選択肢を排除する3件の公判前合意を撤回すると明らかにした。

検察は2年以上にわたり司法取引の可能性について協議を続けていた。司法取引が成立すれば、拷問で得られた証拠の許容性を巡る問題で裁判が複雑化・長期化する事態は避けられたはずだった。

司法取引は先月31日に発表されたもので、ハリド被告らが共謀罪で有罪を認めるのと引き換えに、終身刑を言い渡されるとの内容。

ハリド被告は08年、共謀や戦争法に違反する殺人、民間人攻撃、民間目標への攻撃、テロ、テロへの物質支援などの罪で訴追された。米国はハリド被告の死刑を求刑する方針を明らかにしていた。

しかし、米国が2000年代に米中央情報局(CIA)の秘密収容施設でハリド被告らに加えられた拷問の問題をどう扱うか判断を試みている間、ハリド被告らの軍事裁判は長年遅れていた。初公判は21年1月11日の予定だったが、判事2人の辞任や新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で先延ばしとなった。

先日発表された司法合意に対しては、与野党や9・11同時テロの被害者団体の一部から激しい反発が噴出。こうした団体は米政府に対し、真珠湾攻撃以降で最悪の米国攻撃となった事件に死刑を適用するよう働きかけていた。

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