イランのハッカー、窃取したトランプ陣営の情報をバイデン陣営に送信　

（ＣＮＮ） イランのサイバー攻撃者が６月後半から７月初めに当時バイデン米大統領の選挙陣営に関係していた個人に対し、トランプ前大統領の陣営から盗んだ情報を送信したことが分かった。国家情報長官室、連邦捜査局（ＦＢＩ）、サイバー・インフラ安全局（ＣＩＳＡ）が１８日に発表した共同声明で明らかになった。送信されたものはメールの文章に含まれる非公開資料の抜粋だったという。

声明によると、バイデン陣営のスタッフが返信した形跡はない。

ハリス副大統領の選挙陣営は「数人が個人的に使用しているメールを狙われた」と述べた。

ハリス陣営は今回のような容認できない悪意ある行為を含め、外国勢力による米国選挙への干渉の試みを最も強い言葉で非難するとしている。

トランプ陣営は声明で、ハリス氏とバイデン氏は「ハッキングされた資料を使ったかどうか明らかにしなければならない」とし、これは「イランが民主党候補を助けるために選挙に積極的に干渉しているさらなる証拠」だと主張した。

ＣＮＮは以前、イラン政府が支援するハッカーがトランプ陣営の内部文書を盗み、報道機関と共有したと報じた。法執行機関の１８日の声明は、ハッカーらが米国の報道機関に情報を送る試みは続いているとしている。

声明は、このハッキングについてイラン政府が「不和をあおり、選挙プロセスへの信頼を損なおうとする」試みの一つだと批判している。法執行機関によると、バイデン・ハリス陣営へのハッキングも以前に企てられたことがあったが、失敗に終わった。

米政治専門サイト「ポリティコ」の報道によると、同サイトに７月２２日以降、トランプ陣営幹部からの内部文書や、陣営がトランプ氏の副大統領候補であるＪ・Ｄ・バンス上院議員（オハイオ州）についてまとめた調査資料を含むメールが届いたという。

ニューヨーク・タイムズ紙とワシントン・ポスト紙もその後、同様の文書が送られてきたと報じた。その中にはバンス氏に関する２月２３日付の２７１ページに及ぶ「機密扱い」文書も含まれていたが、文書は公開情報に基づいていたという。