「USAID閉鎖をトランプ氏が承認」、マスク氏発表 局長代行にルビオ国務長官
(CNN) トランプ米政権が対外人道援助を担う国際開発局(USAID)」への攻撃を強めている問題で、新設の「政府効率化省(DOGE)」を率いる実業家のイーロン・マスク氏は3日朝、トランプ大統領がUSAIDの閉鎖を承認したと発表した。ルビオ国務長官は同日、自らUSAIDの局長代行を務めると宣言した。
マスク氏はX(旧ツイッター)の音声配信機能「スペース」を通し、トランプ氏と詳細を協議して閉鎖への同意を得たと述べた。
ルビオ氏はさらに3日、議会への書簡で、局長代行の権限を国務省の対外援助部門トップ、ピート・マロッコ氏に委譲し、USAIDの活動を見直す役割を任せたと述べた。マロッコ氏は、トランプ氏が出した対外援助停止の大統領令の文案を作った人物だ。
ルビオ氏はまた、訪問先の中米エルサルバドルでUSAIDについて質問を受け、同局の機能を米国の外交政策と連携させる必要があると強調した。
トランプ政権が議会の承認なしでUSAIDを閉鎖しようとする動きについて、民主党議員らは「まったくの違法」だとして強く反発。「憲法の危機」を指摘し、法廷闘争も辞さない構えを示している。
これに対してトランプ氏は3日、CNNの質問に答え、不正行為があるなら議会の承認は不要だと主張。「不正があるとしたら、かれらは正気でない」「バイデン前政権の間ずっとやりたい放題で、渡すべきでない相手に金を渡していた」と批判した。「正体は極左の狂人たちだった」と言い放つ場面もあった。
USAIDの職員らには3日0時すぎ、本部オフィスに出勤しないよう指示するメールが送られた。本部前には同日、職員らを含む市民が集まり、援助を必要とする人々の命にかかわる問題だと抗議した。