継母によって20年監禁か、プリンター用紙と手指消毒液を使い脱出した方法とは 米男性

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男性は救急隊員に対し、故意に自宅に火をつけたことを認めた/WFSB

男性は救急隊員に対し、故意に自宅に火をつけたことを認めた/WFSB

男性が通っていた学校は州の児童家庭局に通報し、小学4年生の時、州のソーシャルワーカーが2度にわたって生活状況の確認に男性の自宅を訪れた。

サリバン容疑者は男性に対し、大丈夫だと主張するよう指示したという。

警察トップによると、警察は2回この家を訪れたことがある。最初は2004年で、少年を知る子どもたちが「見かけない」と話したため、警察署から訪問を要請した。

警察トップは「家は片付いており、人が生活している様子だった」と説明する。このトップが現職に就いたのは18年。

警官は当時、少年と会話したが、「普通の幼少期」とは違う何かが家の中で進行していることをうかがわせる要素はなかった。

コネティカット州児童家庭局は13日、CNNに寄せた声明で「被害者や彼が耐えていた筆舌に尽くしがたい環境に衝撃を受け、悲しみを覚えている」と述べ、男性の「信じられないほどの強さと回復力」を称賛した。

同局はCNNに対し、データベースを「徹底調査」した結果、この家族に関する記録は見つからなかったとしている。

「1日22~24時間、部屋に閉じ込められた」

宣誓供述書によると、少年は14~15歳の頃、父親と一緒に庭のごみを処分しに行った。これが家の敷地から外に出た最後の機会になった。ただし警察トップによれば、1日15分から数時間ほど、小さな部屋から出るのを許される時間はあった。

署長によると、部屋の中では独自の「工夫を凝らした仕掛け」を使って用を足していたという。ボトルに排尿することを余儀なくされた男性は、ストローを使って窓枠の穴から外へ尿を流していた。

報復への恐れから、男性が窓を開けることはなかった。

男性は警察に対し、監禁時間が伸び、さらに食事を制限されるのが怖かったと話している。

警察のトップは、他の家族も報復を恐れていたと述べ、「もし情報が漏れたり、家族が被害者を助けたりしたらどうなるか、報復への一定の恐怖心があった」と明かした。

男性が成長するにつれ、部屋の扉の外側に取り付けられる鍵の数も増えていった。

警察トップは「時間の経過とともに鍵のセキュリティーレベルが強化されたようだ。当然ながら彼は年齢を重ねており、多少力が付いていたのかもしれない」と指摘する

そして24年1月、長らく車椅子生活だった父が亡くなると、監禁生活の制限はさらに厳しくなった。

宣誓供述書によると、「父親の死去後、外に出られるのは敷地の裏に犬を連れて行く時だけになり、1日わずか1分程度だったと男性は証言している。実質的に1日22~24時間、部屋に閉じ込められた状態だった」とされる。

そして約1年前、男性はライターを見つけた。亡き父のジャケットに入っていたものだった。

一方、事件に関する継母の見解は大きく異なる。

「サリバン氏は無罪推定」

サリバン容疑者の弁護士は12日、裁判所前で記者団の取材に応じ、容疑はすべて「全くの事実無根だ」と語った。

CNNに寄せた声明では「サリバン氏は無罪推定だ」とも述べ、「逮捕状に詳述されている容疑は公判で立証される必要がある」との認識を示した。

捜査員から連絡を受けたサリバン容疑者は、弁護士と話をしており、警察と話すつもりはないと伝えたという。地元司法当局によると、30万ドルの保釈金を支払って釈放され、次回の出廷は今月26日に予定されている。罪状認否はまだ行っていない。サリバン容疑者の別の弁護士によると、弁護チームは無罪を主張する方針。

火災後に男性を目撃した警察官は当時の様子について、「極度にやせ細っていた」と振り返る。約175センチの身長に対し、体重は32キロほど。身なりは汚れ、髪は絡まり、歯はすべて腐っているように見えた。

男性はいま医療施設で安定した状態にある。警察のトップは記者団に対し、今後は生活を構築する作業が待っていると指摘した。監房よりも劣悪な環境の小部屋で生じた心身の病を克服していく必要がある。

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