旗・彫像・至る所に金 大統領執務室を金ピカのギャラリーに作り変えるトランプ氏
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は連邦政府の大規模な再編に取り組む一方で、大統領職の歴史的象徴である大統領執務室(オーバルオフィス)の改革にも取り組んでいる。
大統領に復帰して8週間近くの間にトランプ氏は執務室の壁にかける絵画の数を3倍にした。棚や机上には旗や彫像、装飾品が飾られている。
そして、数十年にわたり同氏がこだわってきたスタイルに倣い、執務室には至るところにゴールドがちりばめられている。マントルピースには新しいゴールドベルメイユの小像、暖炉の上には大メダル、サイドテーブルには金のワシ、扉には金色をしたロココ調の鏡、そして出入り口のペディメントには私邸「マール・ア・ラーゴ」から運び入れた小さな金の天使像が配置されている。廊下の先にあるテレビのリモコンさえ金箔(きんぱく)で覆われている。
トランプ氏の計画に詳しい2人の人物によると、同氏は大統領執務室にシャンデリアをつるすという考えも持っていたというが、これは今のところ実現しそうにない。
これらすべてによって、ホワイトハウスはマール・ア・ラーゴをほうふつとさせる場所となっている。トランプ氏のローズガーデン改修計画は数週間以内に開始される予定で、芝生を舗装してマール・ア・ラーゴのパティオ(中庭)風に作り替える。トランプ氏は最近、ホワイトハウスの管理者らとローズガーデンの改修計画を検討した。

アイルランドのマーティン首相と大統領執務室で話すトランプ氏。背後の暖炉の上には最近追加された大メダル、炉棚の上にはゴールドベルメイユの小像が並んでいる/Mandel Ngan/AFP/Getty Images
南側の芝生の広場(サウスローン)には、公式晩さん会を開催するための舞踏場を新たに建設したい考えだ。これはベルサイユ宮殿の鏡の間から着想を得たマール・ア・ラーゴの舞踏場をモデルにしている。トランプ氏は就任以降、複数の設計図を検討し、来訪者に披露したり、設計に微調整を加えたりしている。同氏は以前から建築費は自身が負担すると述べており、オバマ政権時代には建築を申し出たほどだが、この歴史的な敷地でプロジェクトが進められるかどうかはまだ不透明だ。

マール・ア・ラーゴの図書室で話すトランプ氏=4日、フロリダ州パームビーチ/Alon Skuy/Getty Images
トランプ氏は、前任者たちよりもはるかに多くの物や骨董(こっとう)品、美術品に囲まれることでまさに同氏らしい仕事場を作り出している。ミニマリスト的な美学とは無縁のトランプ氏は、トロフィーや芸術品、紙の掛け物、記念品など、あらゆる物に囲まれているときが一番落ち着くようだ。
トランプ氏は通常、午前中に居室から執務室に姿を見せる。居室では起床してから6時以降に側近や支持者らとテレビや新聞で得た情報やその日のさまざまな予定について電話で話し合うことが多い。スタッフは、トランプ氏が10~11時ごろに執務室のある西棟(ウエストウイング)にやって来ることを把握している。