欧州議会選で極右政党躍進 仏首相が「地震」と危機感
(CNN) 欧州各国で投票が行われた欧州連合(EU)議会選の開票が25日始まり、極右政党が軒並み議席数を増やす見通しとなった。フランスのバルス首相はこの事態を「地震」と表現している。
フランスのメディアは25日、出口調査の結果、極右政党の国民戦線(FN)が推定得票率25%で第1党になる見通しだと伝えた。同党が全国規模の選挙で勝利するのは初めて。中道右派の国民運動連合(UMP)の得票率は20.3%、オランド大統領率いる社会党は14.7%で第3党となった。
同国のバルス首相はこの結果について、「警鐘どころではない。衝撃であり、地震だ」と形容。「フランスと欧州は極めて深刻な時を迎えた」と述べ、有権者がEUに対して懐疑的になっていると指摘した。
デンマークとオーストリアでも極右政党の勝利が予想されている。
欧州議会は加盟28カ国の751議席で構成され、フランスはこのうち74議席を占める。有権者は約4億人、投票率は約43%だった。
出口調査によれば、EU議会の過半数は依然として中道左派と中道右派が確保する見通し。しかし極右政党は、演説の機会の増加や一部委員会の議長就任などを通じて影響力を強めるとみられる。