米欧が対ロシア追加制裁を検討 ウクライナ情勢
ウクライナ・ドネツク(CNN) 政府軍と親ロシア派勢力の衝突が続くウクライナへのロシアの関与を巡り、米欧がロシアに対する非難を強め、追加制裁の検討を進めている。
米国務省は27日、ロシアの部隊がウクライナを砲撃している場面とされる衛星画像を公開。ホワイトハウスのローズ大統領副補佐官は「ロシアは国境を越えて武器を提供しているだけでなく、砲弾を撃ち込んでいることが明らかになった」と述べた。
ロシア当局は、親ロシア派への武器提供さえ否定している。ラブロフ外相は28日の記者会見で「ロシアとウクライナの国境に欧州安保協力機構(OSCE)の調査チームを派遣することにより、事実が明らかになるよう願っている」と語った。
米ホワイトハウスのブリンケン大統領次席補佐官(国家安全保障担当)は同日、米政府が今週にもロシアへの追加制裁を行う見通しだと発表した。制裁内容の詳細は明らかにしなかった。
欧州連合(EU)の各国代表は29日に会合を開き、制裁案の検討を行う。制裁対象には武器や軍用品、民生品、欧州の資金市場へのアクセス、ロシアへのエネルギー技術の供与などが含まれるとみられる。
米国務省のサキ報道官は「これまでの制裁は(ロシアに)重大な影響を及ぼしている」「欧州諸国はさらなる措置を行う構えで、米国もそれを期待している。問題は、ロシアが制裁による経済や国民生活への影響に向き合うか、それとも無視するかだ」と述べ、追加制裁の実施はロシアの出方次第だとの姿勢を示した。
だがラブロフ外相は、制裁を科されてもロシアは経済的な困難を乗り越え、一段と自立するまでだと強気の姿勢を示している。