イラク新内閣、議会が承認 マリキ氏は副大統領
バグダッド(CNN) イラクの国民議会(国会)は8日、アバディ新首相が率いる新内閣を承認した。マリキ前首相は副大統領3人のうち1人に任命された。
憲法が定める組閣の期限は9日に迫っていた。アバディ氏が提出した閣僚名簿では、一部のポストが空席となっている。首相は1週間以内に国防相と内務相を指名する方針だ。
副大統領にはマリキ氏のほか、同氏と対立関係にあるアラウィ元首相と、ヌジャイフィ元国民議会議長が決まった。ただしこのポストは名誉職の色彩が濃い。
イラクは政治的混乱とともに、イスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国(IS)」の脅威にも直面している。シーア派主導のマリキ政権の失策がスンニ派の反感を買い、宗派間対立を招いたとの指摘もある。
米国のオバマ政権はイラクに挙国一致政権の樹立を強く促し、支援継続の条件としてきた。
ケリー米国務長官は8日、新政権の樹立が「大きな節目であることは間違いない」と評価し、同国の全勢力による団結に期待を示した。
国連の潘基文(パンギムン)事務総長は報道官を通し、イラクの政治的安定と平和に向けた「前向きの一歩だ」と述べた。
アバディ氏は8日、「治安部隊を再建して汚職を一層し、武器を民兵組織でなく国家に集中させる」との方針を表明。イラクは「凶悪な攻撃」を受けているが、治安部隊は戦い続けて「勝利」を手にすると宣言した。