CIAのスパイになったアルカイダ戦闘員、CNNに過去を語る
イエメンでイスラム武装組織の映画を撮影しようと同行した友人のデンマーク人ジャーナリストによれば、ストーム氏とアウラキ師は冗談を言い合うような仲だった。ストーム氏の過激な主張をアウラキ師がなだめる場面もあったという。
ストーム氏は「落ち着け」というアウラキ師の助言を振り切って、ソマリアで戦闘に加わることを決意した。ところが土壇場になって、来るなという電話を受けた。現地の状況が危険になり過ぎたとの説明を受けたが、「深く失望し、裏切られたと感じた」という。
インターネットで調べてみると、イスラム教の矛盾を指摘するサイトがたくさん見つかった。じっくりと目を通し、本当に矛盾があるとの結論に達した時点で、イスラム教への信仰は完全に消え去ったという。
デンマークの保安情報庁(PET)に連絡を取り、テロとの戦いに協力したいと伝えた。すぐに工作員として採用され、その仕事ぶりがCIAの目にも留まった。当時のPETトップは「とても貴重な情報源だった」と振り返る。同氏にとっては、行く先々で運良く重要人物と出会っていたことが追い風となったようだ。
CNNはストーム氏に関してCIAに取材を申し込んだが拒否された。デンマーク当局からも、同氏の主張を認めるコメントは得られていない。
同氏によれば、アウラキ師から欧州の金髪女性を3番目の妻にしたいと頼まれたこともある。イスラム教に改宗したばかりのクロアチア人の女性を紹介し、婚約が決まった。ストーム氏は約束通り、25万ドル(約2700万円)の報酬を受け取ったという。