南スーダン兵士が外国人襲撃、「国連部隊は救助要請に応じず」の証言
(CNN) 南スーダンで援助団体の外国人職員などが滞在していた施設が兵士の集団に襲撃され、1人が死亡、女性職員が強姦されたり暴行されたりする事件が起きていたことがこのほど明らかになった。襲撃時、国連部隊が救助を求められたにもかかわらず出動しなかったという証言もあり、国連の潘基文(パンギムン)事務総長は事実関係などについて調査を指示した。
AP通信や人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチが15日に伝えたところでは、事件は南スーダンで大統領派と副大統領派の衝突が起きていた7月11日に首都ジュバで発生。外国人職員などが滞在していた施設が、制服姿の南スーダン兵80~100人に襲撃された。
同施設の周辺では数日前から衝突が続いていたが、11日午後3時ごろ、兵士らが鉄鋼製の扉を1時間以上にわたって銃撃して2階建ての建物に侵入。現金や貴重品の略奪を始めた。
米国人女性によれば、浴室に隠れた約16人は、国連や大使館に電話やメールで助けを求め続けたという。
しかし兵士らはドアを破って室内に乱入し、女性を1人ずつ連れ出して暴行。米国人女性は自動小銃で殴られ、銃口を突き付けられて脅されたと話している。
国際機関職員の別の女性も、ほかの数人の女性と共に、複数の男に何度も強姦されたと証言した。
援助団体のフィリピン人男性職員はベッドの下に隠れ、室内を荒らし回る兵士たちを目撃した。兵士たちは「お前たち外国人がこの国で問題を起こした。これはアメリカ人が南スーダンに対してやったことだ」と主張していたという。
兵士たちはさらに、反体制派と同じ民族の地元記者(32)を銃撃して殺害したという。