経済不安のベネズエラ、首都で大規模デモ 治安部隊と衝突
(CNN) 経済危機と政情不安に陥っている南米ベネズエラの首都カラカスで10日までに、マドゥロ政権に抗議する大規模なデモがあり、参加者数千人が治安部隊と衝突した。
デモ隊は8日、市東部の拠点から、政府機関が集中する中心部に向かって行進した。治安部隊が幹線道路を封鎖して鎮圧を図ったのに対し、参加者らは催涙弾を投げ返すなどして抵抗した。
同国では先月末、最高裁が議会の立法権を剥奪(はくだつ)する決定を下したことに対し、野党が猛反発。最高裁は激しい抗議を受けて決定を撤回した。
しかし政府が7日、野党指導者のエンリケ・カプリレス・ミランダ州知事の政治活動を15年間禁止したことを受けて、抗議運動が再燃している。
カプリレス氏は8日、政府が武力でデモを弾圧したと非難し、「これは犯罪だ。政府は人権を侵害している」と主張した。
マドゥロ大統領は先週、政府系のテレビ局を通した閣議での発言でデモ参加者を「テロリスト、破壊者」と呼び、「全員の身元が分かっている。全員が裁きを受けることになる」と警告していた。
大統領は拘束者30人と発表したが、国内の人権団体は8日、4日以降に115人が拘束されたとの見方を示した。
この日のデモに参加した野党議員は、「暴力の責任は全て政府側にある。治安部隊が登場して弾圧を始めるまでは平和な行進だった」と語った。
ベネズエラは経済が破綻(はたん)状態となり、深刻な人道危機に直面している。