イエメンのサレハ前大統領殺害、政治的賭けが裏目か
イエメン・サヌア(CNN) イエメンのアリ・アブドゥラ・サレハ前大統領が4日、首都サヌアから脱出する途中で、反政府武装組織「フーシ」によって殺害された。サレハ前大統領派とフーシの間では、数日間にわたって激しい戦闘が続いていた。
これまでフーシと連携していたサレハ氏が、フーシによって殺害されたことで、イエメンの長引く内戦終結に向けた希望は大きく後退し、戦闘が一層激化する懸念も強まった。
フーシが掌握する同国内務省は、サレハ氏の死亡について、「裏切りの民兵集団は始末され、そのリーダーは殺害された」と発表した。
CNNは、サレハ氏の遺体と思われる映像とビデオも目にした。ただ、本当にサレハ氏の画像かどうかを独自に確認することはできなかった。
フーシの幹部によると、サレハ氏を乗せた車は、フーシが占拠する首都サヌア南部の検問所で銃撃され、同氏と側近数人が死亡した。
サヌアにあるサレハ氏の自宅は2日以上にわたってフーシに包囲され、同氏は身の安全のため、出身地のサンハンへ脱出しようとしていた。
遺体はサヌアに運ばれ、同氏が率いる政党の「国民全体会議」に引き渡された。
サレハ氏は、イランが支援するフーシと3年前から連携していたが、殺害される2日前、サウジアラビア率いる有志連合との関係改善を望むと表明した。有志連合は2015年から、イエメン国内でフーシに対する軍事作戦を続けている。