コンゴのエボラ流行、隣国に拡大 「真に恐ろしい段階」に
(CNN) エボラ出血熱の流行が続くコンゴ民主共和国(旧ザイール)の隣国ウガンダで12日、5歳の男の子を含む3人の患者が確認された。関係者が以前から恐れていた国境を越えた感染拡大が現実となった。
世界保健機関(WHO)とウガンダの衛生当局は11日、コンゴから家族と一緒に9日にウガンダに入国したコンゴ人の男の子が、エボラの症状を発症したことを明らかにした。
ウガンダ衛生省によると、エボラ出血熱の感染が確認されたのは、この男の子と3歳の弟、50歳の祖母の3人。ウガンダ西部にある病院のエボラ治療病棟で隔離されている。
WHOは12日、5歳の男の子が11日夜に死亡したことを明らかにした。
ウガンダ衛生省は、この一家と接触した8人の足取りを追っている。
コンゴでは、昨年8月から始まった今回の流行によって1300人以上が死亡した。最も感染者が多い北キブ州とイトゥリ州は、ウガンダ、ルワンダ、南スーダンと国境を接している。
患者数はこの数週間で増え続けており、国境を越えた感染の拡大に対する不安が強まっていた。
英医療研究慈善団体ウェルカム・トラストは今回の流行について、「真に恐ろしい段階にあり、すぐにも食い止められる兆しはない」と述べ、「死者の数は、2013~16年の西アフリカでの流行を除けば、歴史上のどの流行よりも多い。今の状況がそうした恐ろしいレベルへとエスカレートし得ることに疑いの余地はない」と指摘する。
WHOに対しては、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を求める圧力が強まることが予想される。