コンゴのエボラ熱、大都市で2人目の死者 感染拡大を懸念
(CNN) アフリカ中部のコンゴ民主共和国(旧ザイール)のエボラ出血熱の流行で国際NGO「国境なき医師団」は7月31日、隣国ルワンダと接し主要な物流拠点となっている大都市ゴマで同日、2人目の犠牲者が出たと報告した。
ゴマ市の人口は100万人以上で、ルワンダとの間で人的な往来も多い。世界保健機関(WHO)は同市でのエボラ出血熱の感染確認で患者拡大への懸念を強めていた。
国境なき医師団はツイッター上で、2人目の犠牲者は医師団が支援するエボラ治療センターに運び込まれたものの約26時間後に亡くなったと述べた。WHOによると、46歳の男性で、ゴマ北部のイトゥリ州の鉱山で働いていたという。
治療センターに搬送された時の症状は既に重く、死去前に事情も聴けなかったという。この男性の感染場所や接触した人間を特定するため、移動経路などを調べている。
WHOは先月17日、コンゴのエボラ出血熱の流行について「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」を宣言。前日にはゴマで初の感染者が死亡した。WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長によると、ゴマ市での犠牲者2人の間に関連性がある形跡はない。
同事務局長によると、ゴマ市では医療従事者5000人以上にエボラ出血熱のワクチンを接種し、医療施設では感染拡大のための訓練や関連備品の供与が行われている。
エボラ出血熱はコンゴ東部の北キブ州などで昨年8月から感染が本格化した。国連機関が7月31日に出した共同声明によると、これまで感染が確認されたのは2600人以上で、犠牲者は1800人以上。患者3人のうち約1人が子どもだという。